best case
このお財布は、うちにとってベストケース。
総レザーで作られた重厚感のあるお財布です。
気合い入れすぎの「ものつくり」はうちではあまりしないのですが、このお財布だけは別です。
重さも316g、スペックに対してはまあまあってところでしょうか、
俗に言う「ラウンドジップロングウォレット」ですが、まだ世の中でそんなに流行っていなかったであろう20年くらい前に見ていた時は、正直興味が湧きませんでした。(ちょっとおじさんくさいので。)その頃は横目で流して見ていたのですが、徐々に世の中はこの形一色に。一点物のオーダーでも次から次へと引っ切り無しに依頼が来るので、気がついたら本格的なラウンドジップの形が作れるようになっていました。この形自体は正直どこにでもある、だけどぺらぺらのふにゃふにゃなラウンドジップウォレットばかりなので、あまのじゃくなmarumeではこのラウンドジップロングウォレットという形は‘‘ハード’’に仕上げることにしました。総レザー、時には革を2重にし、ファスナーは太めでなめらかエクセラの8番、その逆張りな考えが、見て触ってもらった人にはわかってもらえるようで、ロングセラーになりつつあります。今回は、その今迄のタイプからさらにバージョンアップさせ、ポケットは倍の数に、この一本作るのにパターン数(型紙の数)も30枚を超えていました。笑
真鍮線を曲げ、銀ロウ付けした引き手。ダールブラック仕上げ。
軽さと、便利さを求める今のこの時代に逆行しているアイテムなのは知っています。今、うちにある全ての技術を世にアピールするためにつくったお財布ですが、ただ、その質実剛健な出来上がりに『best case』と名付けました。ギリギリな所でやりすぎな感じを表に出していないのが、このお財布のいいところかなと。
過ぎたるはなお及ばざるが如し、が合言葉のようになってきました。
あしからず。
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